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バスラ(南イラク)の街角で。フィルムの中に三十年を眠っていたイラクの子どもたち・・・。そして今日、もっとも困難な時代を生きることを余儀なくされた者たちだ。彼、彼女らの表情は、今どんなだろうか---- 1977年

2013年08月22日

【9/7 @カフェパラン】- 剣持一巳とイラク戦争(1/2)- 情報という名の司祭群 イマジンイラク・コンテンポラリー 第九夜

 イラク戦争と同時代の想像力を検証する学習会。コンテンポラリー 第9夜を開催します。
 タイトルの「情報という名の司祭群」は、剣持一巳が1972年1月の朝日ジャーナルに掲載した記事のタイトルです。副題は「個を否定する国民総背番号制」。剣持さんの徹底して理詰めで、ユートピア幻想の無い未来の展望は、個人の監視と管理が徹底して行き届いた現代でこそ理解できるでしょう。70年代、イラク共和国は、国民生活の向上のためインフラ整備に力を入れていました。そこは、たしかに平和な時代ではありましたが、その反面、最新兵器を急ピッチで導入していた時代でもありました。その果てに何が待っているかは、技術者だけが知っていました。

 ・・・私たちに先だって必要なものは、改革幻想やブルー・プリントであってはなりません。ただひたすら、死者たちの嘆きによって貫かれる諦め悪い人間として、資本と軍が強要する「記憶の改変」を受け入れないことです。
 
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□■□■□ Imagine IRAQ Contemporary □■□■□
―同時代の想像力を検証する学習会―
★★★ 第九夜 ★★★

 情報という名の司祭群
― 剣持一巳とイラク戦争 (1/2)― 
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進行:S. M.(フレンズ オブ マーシー・ハンズ)/T. M.(イマジンイラク実行委員会)
日時: 2013年9月7日(土)18:00開場 18:30-20:30 
場所:京都二条 カフェ パラン  
http://s.tabelog.com/kyoto/A2602/A260203/26015696/
(JR嵯峨野線・地下鉄東西線「二条」駅 徒歩2分)
 
参加費:ワンドリンク
主催:イマジンイラク実行委員会
共催:フレンズ オブ マーシー・ハンズ、JIM-NETボランティアチーム☆なら☆
 
連絡先:imagine_iraq@yahoo.co.jp
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Featuring Author
剣持一巳(けんもち・かずみ)     
1940年 東京生まれ。軍事評論家。技術評論家。
60年代 「現代技術史研究会」「軍事問題研究会」に属し、軍事技術
    ハイテクのルポ・論文等で、左派の評論家として頭角を現す。
70年代 反戦自衛官・小西誠の裁判闘争で特別弁護人を務める。
    「コンピューター合理化研究会」を設立。国民総背番号制に
    反対の論陣を張る。
80年代 反合理化、反有事法制、反核・反原発の論陣を張る。
90年代 ペルシャ湾掃海艇派遣違憲訴訟、カンボジアPKO違憲訴訟
    など、自衛隊海外派兵に対する違憲訴訟運動を率いる。
    清水澄子参議院議員(社会民主党)政策秘書を務める。
1998 年 ガンにより死去。
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「その全部が無意味なんだ。嘘っぱちなんだよ。セキュリティなんて無用なんだ。」
「嘘っぱちだろうがなんだろうが、すでに走っちまっている経済は紛れもない本物だぜ」
                                       ――伊藤計劃『虐殺器官』 
 
 イラク戦争と同時代の想像力を検証する学習会、『イマジンイラク・コンテンポラリー』。前回、第八夜(ルイス・リビー篇)では、イラク戦争開戦の遠因が「911」の直接的報復というよりも、80年代から90年代にかけて行われたアメリカ国防政策(なかでも核戦略体制)の変化によるものであることを見てきました。
 
 では、この国防政策の変化を導いた原因――世界中を外的にのみならず人間の内面まで「安全・安心」に染め上げんとする一方的な流れ――とは、いったい何でしょうか?第九夜では、イラク戦争の原因を、産業技術史の観点から改めて読み解こうと試みます。
 
 今回、注目するコンテンポラリー・・・剣持一巳(1940-1998、日本)は、60年代から90年代にかけ、独立系の軍事・技術評論家として厖大な著作・論文を遺した人物です。剣持の著作は、日本の高度経済成長を推進したマイクロ・エレクトロニクス技術革新 を多面的に分析し、資本と軍が作ろうとするグロテスクな文明の姿を明らかにします。

 経済的絶頂を謳歌する70〜80年代の日本にあって、実体経済の衰退――コンピュータ化がもたらす労働の疎外、国内産業の空洞化、その先に準備される「新たな戦争」――を歴史的必然として予見する剣持は、飛びぬけて深い視座を有する技術史家でした。
 
 剣持にとって、人々が諸手を挙げて歓迎する電子技術の過剰な発展の先に約束された「繁栄」・・・テクノトピア・・・とは、同時に人間が生きながら死者に近づいていく絶望的な未来でした。そして、いま、私たちは過去の老人達が想像した檻の中に閉じ込 められ、「繁栄」以外の未来を想像することを許されない地点で立ちすくんでいる――

 今回の学習会では剣持の著作を通じて、「誰かの繁栄のために、誰かを犠牲にする社会」を生んだ近・現代産業技術史を振り返りつつ、イラク戦争とその後の時代について、ありうべき希望とは何かを冷徹に考えてみたいと思います。
 
 次回の学習会では、90年代の湾岸戦争/PKO派兵/社会党の転向/新ガイドライン/周辺事態法に抗した剣持の著作・講演録を中心に、自衛隊派兵違憲訴訟の場で何が争われたのか、イラク戦争に至る「解釈改憲」「文民統制の逸脱」の歴史、この20-30年の「安全保障」の変質と対抗論理を考えたいと思います。(T)
 
 
 
*推奨図書
1) 剣持一巳『イギリス産業革命史の旅』(日本評論社・1993)
2) W・ギブスン、B・スターリング『ディファレンス・エンジン』(ハヤカワ文庫・1991)
3) 剣持一巳『国の秘密・個人の監視』(創史社・1988)
4) 剣持一巳『ルポ・原発列島』(技術と人間・1982)
5) ナオミ・クライン『ショック・ドクトリン』(岩波書店・2011)
 
 --------------------------------------------------以上
 


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