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バスラ(南イラク)の街角で。フィルムの中に三十年を眠っていたイラクの子どもたち・・・。そして今日、もっとも困難な時代を生きることを余儀なくされた者たちだ。彼、彼女らの表情は、今どんなだろうか---- 1977年

2013年02月01日

【学習会のお知らせ】2月9日18:00- イマジンイラク・コンテンポラリー第六夜 黙示の時代に −須原一秀とイラク戦争−

「私たちにとってイラク戦争とは何だったか」 ――― 同時代の想像力を問う、イマジンイラク実行委員会・自主企画の案内です。
  
 今回、取り上げるのは、ユニークな社会批評を行っていた、日本の哲学者・須原一秀です。
 長年、京都市内の大学講師として教鞭を取ってきた彼は、2006年4月、心身ともに健康なまま、なんの前触れもなく、65歳で自死を遂げます。その死に方は、地元の警察が疑義を抱いたとさえ言われるほどに凄絶で、まったく動機が不可解なものでした。死後、「積極的な死の受容/消極的な死の受容」と題した、彼独自の論理が書かれた遺稿が発見されます。そこには、彼の学問を通じた同時代に対する実も蓋もない底抜けに明るい失望が、彼自身の人生を呑み込んだ様がくっきりと描かれていました。―― 
  
2003年3月20日、私たちはこの世界に失望しました。いまや、失望はこの世界で生きるための基本仕様(デフォルト)だとまで言うと、言いすぎでしょうか。しかし、我々は安易に失望してはなりますまい。「失望」の中身をはっきりさせておくこと。それが、十周忌を迎えるこの世界に臨むための、私たちの態度です。

 
イマジンイラク・コンテンポラリー学習会を2月9日に開催します。
以下、案内です。
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■□ Imagine IRAQ Contemporary

―同時代の想像力を検証する学習会―



    ★★★ 第六夜 ★★★
 
       黙示の時代に

  ― 須原一秀 と イラク戦争 ― 

進行:S. Maeno/T. Mizuno
日時: 2013年2月9日(土)18:00開場 18:30-20:30  

場所:京都二条 カフェ パラン
(JR嵯峨野線・地下鉄東西線「二条」駅 徒歩2分)
http://s.tabelog.com/kyoto/A2602/A260203/26015696/

参加費:ワンドリンク
 
主催:イマジンイラク実行委員会
 
共催:フレンズ オブ マーシー・ハンズ、JIM-NETボランティアチーム☆なら☆
 
連絡先:imagine_iraq@yahoo.co.jp
 

―イラク戦争とは何だったか。  2003年3月20日―米英を中心とした多国籍軍による「イラクの自由」作戦が開始。4月10日にはバグダードが陥落し、4月20日にはブッシュ大統領による「戦闘終結宣言」が出されたことをもはやだれが覚えているでしょうか。イラク戦争という表現は、本来、この戦争の性質を伝えるに正しい表現ではありません。なぜなら、虚偽の証拠によって国連安保理議決―二度にわたる世界大戦の反省から、国家が戦争を行う際に定められた最低限の手続き―すら経ずに先制攻撃を正当化したその戦争において、イラクは当事者というよりも一方的な被害者でした。それは、世界に「共通の価値観」を啓蒙する「ブッシュ戦争」の一環であ った、とい うべきでしょう。

  
 それから10年、占領下イラク・政権移譲後のイラクの治安状況は、どんなに控え目に見ても、決して「良くなった」とは言えません。夥しい数の国外・国内避難民を生み出し、民族・宗派による利害の衝突が激化、外資向けのパイプラインは増強されてもインフラの復興は放置されたまま。しかし、それであっても、コストに見合った利益が得られる・・・それが、私たちの直面する新たな世界秩序の黙契であり、私たちは血を流しても搾取にあえごうとも、最大多数の利益のために最適化された社会の構築を肯定するほかはありません。「来たるべき世界」へ向かって、西側先進国を中心とする各国政府と軍と資本とが遮二無二、「ロードマップ」を突っ走っている様は、さながら言葉が神としての座を追われた後の黙示の時代の様相を漂わせています。
  
 はたして、その呪われた新世界秩序の尖端としてのイラクで、私が見たことと言えば、かつて人々が住み、命を育んできた街路と自然とが、劣化ウラン弾と戦車で瓦礫と化し、唸りを上げる巨大なブルドーザーによって根こそぎに均されている姿でした。 更地・・・そう、更地――そこが人類文明発祥の地であったことなど、もはや誰一人、気に掛けることのない ――グリニッジ天文台を基点とするただの座標。歴史的な所与のものなど何も持たない「私たち」が肯うよりほかない、どこまでも続くまっさらな人工のフロンティア――
 

  
 今宵の Imagine IRAQ Contemporary では、私たちより一足早く、この黙示の時代に内在する論理と倫理に肉迫し去った、あるひとりの日本の哲学者・須原一秀が辿った軌跡を追いながら、同時代がどこへ向かおうとしているのかを見てみましょう。(T)
  
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FEATURING AUTHOR
須原一秀(すはら・かずひで) 1940年大阪府生れ。哲学者。専攻は分析哲学。
大阪市立大学文学部哲学科博士課程退学。立命館大学非常勤講師等を勤める。
1983年 A.C.マイクロス『虚偽論入門』訳
1992年『超越錯覚―人はなぜ斜に構えるか』
2000年『高学歴男性におくる弱腰矯正読本―男の解放と変性意識』
2005年『<現代の全体>を捉える一番大きくて簡単な枠組み:体は自覚なき肯定主義の時代に突入した』
2006年4月 自死。
2008年 遺稿『自死という生き方』出版。
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*会期中は、カフェ・パランの一室をお借りして70年代のイラクの写真を数点展示します。
 

*学習会は、カフェ営業中にオープン形式で行います。どなたでもお気軽にご参加ください。
 

*イマジン・イラク実行委員会では、1977〜80年、イラクに滞在した日本人技術者・吉原茂さんより提供いただいた往時の貴重な写真の巡回展示用パネルを37枚ほど保有しており、巡回展企画を催しています。ご興味のある方は、ぜひご一報ください。
  

*次回の企画は、3月20日、「計画忌」に合わせ、スペシャルゲストを検討中です。
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